2023年 03月 09日
友人Oさんと吉祥寺で食事をし、井の頭公園を散歩した。 池の周りを一周する間に、ところどころで座って長話。彼は私よりもひと回り以上年下だが、価値観が合うところが多い。なかなか他の人にはわかってもらいにくい問題意識を共有していることもあって、彼と話すと、しばらく溜まっていた不満ガスが抜けていくようだ。 これまで幾度か、彼が声をかけてくれたおかげで、彼がやってる活動でのプロジェクトを手伝うことがあった。ただそれぞれのこだわりゆえに摩擦が生じ、怒りっぽい私がその感情をぶつけたこともあった。それでも彼は私との付き合いを断つこともなく続けてくれた。 また彼は、数年前、私が人生で一番つらかったときに寄り添ってくれた。それの私のつらさは、「自業自得」的な問題ゆえでもあったので、当時、私から離れた人もいた(正確に言うと、私への気持ちの離れようがつらくて自分から切り離した人)。しかし、心配してそれまで以上に心を寄せてくれた人たちがいて、彼は後者の一人だった。 そのとき、彼が言ってくれた「もっと砂川さんと会おうと思った」にどんなに救われたことか。 彼と初めて会ったのは、私が沖縄に帰る少し前だったので、2010年か2011年の初め頃か。気づけば、知り合ってからもう12年余。沖縄に住んでいた5年間で会えたのは一度で、その間にはあまりやりとりもなかったが、それでも関係が続いたのは彼が気にかけてくれたおかげだ。 実は私は、親しい友人でも食事やお茶に誘うのが苦手なのだけれど、私も自分からも声をかけてもっとOさんと会おうと思った。 #
by hideki_sunagawa
| 2023-03-09 18:00
| Diary
2023年 03月 08日
私にしては、忙しい日だった。 今年度(昨年4月)から、非常勤で明治学院大学(明学)ボランティアセンターのボランティアコーディネーターという仕事をしているのだが、主な出勤先が横浜キャンパスなので、通勤時間がdoor to doorで1時間40分くらい。いつもは7時20分くらいに家を出る。 その仕事を終えて家に19時15分くらいに帰って来て、急いで食事をして、20時から、全く別の仕事のある冊子づくりのオンラインミーティング。その話し合いで検討した内容を、校正刷り(と言うのだろうか)に反映して、pdfで読み込んで関係者に送り、22時に終わり。 世の中にはもっと大変な労働を毎日毎日している人がいるのは重々承知だが、私は長らく家でマイペースで仕事をしてきた身なので、長時間通勤して他の人たちと机並べて仕事してというだけでも、なかなか大変なのだ。その明学の仕事は、週2-3なので、なんとか続いたという感じ。 しかし、自分でいうのもなんだが、勤務日数少ないわりに結構仕事をこなしていると思う。ということで、意外と私ちゃんと仕事できてる!優秀!と自分を褒めている(笑) だがそれは、とても働きやすい職場環境であることが大きい。20代の終わりに事務局長として働いていた「ぷれいす東京」に匹敵するような働きやすさ。 とても良い場所でオフィスワーク・リハビリをさせてもらっている感じ。ということで、来年度も継続。ただ、これだけでは生活は成り立たないので、他の仕事もやりつつ。そして、明学の仕事は最長あと4年で終わるので、早くこの先のことも考えていかねば…。 #
by hideki_sunagawa
| 2023-03-08 23:00
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2023年 03月 07日
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by hideki_sunagawa
| 2023-03-07 18:38
| Diary
2023年 03月 05日
昨夜、新宿二丁目のバー「TAKASHI」のマスター、隆司さんの訃報を耳にした。 最後に行ったのは5年前くらいで、それもずいぶんと久しぶりだったけど、沖縄にUターンする前には時々足を運んでいた。とても落ち着いた雰囲気の大人のバーという感じだった。 マスターは私より10歳ほど年上だったが、実年齢より10どころか20も若く見える、とてもハンサムでかっこいい、しかしそれを鼻にかけない良い男だった。私は、ちょっと良い雰囲気の相手とゆっくり話したいときに足を運ぶことが多かった気がする。 noteに書いた、新宿二丁目でのフィールドワークを振り返ったこの記事の後半に出てくるマスターは、実は隆司さんのことだ たまに行く落ち着いたバーへ。終電間際の時間のため、先客はなかった。マスターに「付き合ってるの?」と聞かれる。ゲイバーに二人で行くとよく聞かれる質問だ。「三ヶ月くらいだけど付き合っていたんです。今日は偶然に会っちゃってさ」と僕。それに対する、マスターの「やっぱり赤い糸で結ばれているんじゃないの?」という言葉に、規定演技のような決まり文句と思いながら、僕の心はちょっとドキンとした。 『新宿二丁目の文化人類学』に書かなかったフィールド話を振り返りながら ちょうど、最近「また行きたいなぁ」と思っていたのに、「でも、自分もずいぶんと年とったし、わかるかなぁ…」と躊躇って行かなかったことを後悔した(こういう後悔が積み重なっていくばかり)。 あるバーのマスターから訃報を聞いて、私よりTAKASHIさんと仲の良かった友人に知らせてやりとりしたあと、夜遅かったけれど、お店の前まで行ってみた。すると、前に一つ花束が置かれていた。やっぱり本当だったんだと実感した。 どう言葉をかけたらいいかわからないまま、手を合わせて帰った。 もとより、若い頃から永別が少なくなかったけれど、こうしてまただんだんと別れが増えていくんだな…寂しい。 #
by hideki_sunagawa
| 2023-03-05 16:56
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2023年 03月 03日
▼感謝、感謝! 『カミングアウト・レターズ』は、RYOJIさんと私で編集した本。ゲイ/レズビアンの子とその親、生徒と教師の往復書簡、カミングアウトをめぐる2つのストーリー、ゲイ/レズビアンの子をもつ親たちの座談会を掲載している。 今回届いたのは10刷。出版された2007年から15年。協力してくださった皆さんの手紙、語りが多くの人に響き、長く愛される本となった。出版当初から評価が高く、度々オススメのLGBTQ関連の本に挙げていただいてきたが、特に、2021年12月にEテレ「理想的本箱」の「同性を好きになったときに読む本」三冊のうちの一冊として紹介されたことで、より広く知られることになった。 編者の一人である私が礼を言われることも多いが、この本の素晴らしさが、協力くださった皆さんの真摯なやりとり、共有くださった経験にあることは言うまでもない。また、表に出て発言することの多い私がこの本と結びつけられがちなのだが、RYOJIさんとの出会いがなければ、この本は誕生しなかったことも強調しておきたい。 そして、この本の企画をRYOJIさんと太郎次郎社エディタスに持ち込んでプレゼンしたときに、同社の当時の社長、北山理子さんがすぐに意義を理解してくれたこともありがたかった(出版社を探しているときに楠原彰先生に相談したら、太郎次郎社エディタスを紹介してくださった)。 ▼出版された頃の社会の様子 当時、LGBTQに対して、今ほど社会的関心は高くなかったが、それでも、性的少数者/性的マイノリティという言葉で小中高の教育現場を中心に取り上げられつつあった。だが、その言葉で示されるのは「性同一性障害」ばかりで、ゲイ/レズビアンは再・不可視化されていた。その状況の中で、ゲイとしての経験を持つ私としてのRYOJIさんが、それぞれの思いを語る中で、それぞれやりたいと思っていることを共有する中で、この本の企画が生まれたのだった。 ちなみに、余談だが… 私はかなり早いうちからLGBTという言葉を使っていた。1990年代後半から使い始め、初めて出版物でこの言葉を記したのは2000年だったと思う。先に書いたように、性的少数者/性的マイノリティという言葉で示されるのは「性同一性障害」ばかりで、「性同一性障害」とゲイ/レズビアンの混同も今以上に多かった。そのため、それぞれの頭文字が入っているLGBTの方が、それぞれが埋没されなくていいと思ってこの言葉を積極的に導入したのだった。だが、その後、この言葉が定着するにしたがって、ゲイやレズビアンという個別のあり方もLGBT /LGBTQという言葉に置き換えられがちなことに愕然としている。 ▼『カミングアウト』に寄せられる感想 今でも、『カミングアウト・レターズ』への感想をよく耳にする。 地方に講演に行くと、若い人から、学校の図書館に『カミングアウト・レターズ』があったこと、それを読んでとても励まされたと語ってくれる人に何人か出会った。SNSでは、親にカミングアウトをするときに渡したと言ってくれる人も多い。そうした言葉をもらうたびに、力づけられる。この本が、自分にとっても大きな財産になったんだなぁ、と思う。 そうした感想とともに、最近少し気になるタイプの感想も聞くようになった。 それは、その頃はこんなにカミングアウトが大変だったんですね、とか、当時はカミングアウトを受けた側が衝撃を受けたのですね、といった内容だ。私が聞いたのは、どれもLGBTQではない人からによるものだったが、自身がよりスムーズにカミングアウトできた「当事者」にもそう感じる人はいるかもしれない。 だが、おそらく若い人も含めて、大部分のLGBTQにとって(それぞれの属性によっても違いがあると思うが)、カミングアウト、特に親に対するカミングアウトは今も難しい。受けた側も衝撃をうけることが多いだろう。そういう意味でも、この本はさらに広く読まれて欲しいと思う。 さらに言えば、この本はゲイ/レズビアンのカミングアウトを扱ったものだが、そこから、子と親、生徒/学生と教員人という立場を通して、人と人がお互いを思いやり、相手に近づこうとする様子が描かれているものだ。それは、いつどんな社会になっても、多くの人の心を動かすものだろう。 *ツイキャス「すなひでラジオ」3月4日(土)では、『カミングアウト・レターズ』で印象に残っているやりとりの一部を朗読しました。間違えてるところもあって恥ずかしいのですが、一応宣伝。 追記:そういえば、『カミングアウト・レターズ』の出版初校が、私が結構大きな手術を控えてるときにあがってきて、「手術が終わってからでも大丈夫」と言われたけど、「いや、この手術で死ぬかもしれないし」(というほどリスクの高いものではなかったのだけど)、と病室に届けてもらい、手術直前にがんばって仕上げた思い出も。 #
by hideki_sunagawa
| 2023-03-03 18:00
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