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2014年 04月 11日 ( 1 )


2014年 04月 11日

お守りを届けたい

ふと、ブログに移行する前の、自分でhtmlで書いていた頃の過去の日記の4月を読み返してみた。

12年前(2002年)の4月は、新宿2丁目のフィールドワークをしながら、なんとなく後ろめたいものを感じて、調査そのもののあり方に迷っていた。

10年前(2004年)には、イラクで起きた日本人人質事件をめぐって、世の中の「自己責任論」に怒っていた。そして、500人を越える登録者のあった大学の授業の対処におわれていた。

そして、8年前(2006年)の4月6日の日記には、HIV/AIDSの問題にかかわる人たちが入っているメーリングリストJ-AIDSで、男性同性間のHIV感染をめぐるやりとりに関する話を書き記していた。

それは、僕も参加しつつ男性同性間のHIV感染についての議論を重ねる中で、自尊感情や孤独感とリスキーな行為の関連に話が至り、その流れである人が以下のように書き綴ってくれたということについて。

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ぷれいす東京の「SAFER SEX GUIDE BOOK」のことで砂川さんを存じ上げている、と書きました。 当時(十数年前でしょうか)、私は地方で家族と同居していて、全く偶然にそれを偶然知り、郵送をお願いしたのです。 中にワープロの案内文が入っていて、丸っこい字で「砂川秀樹」とサインがありました。

ゲイのための雑誌を買うにも、バスで一時間もかかるような田舎に住んでいた私には、どれだけ心強いものだったことか。 初めてゲイコミュニティからのシグナルと接触した証が、それだったんです。「お守り」でした。

知りたかったのはHIV/AIDSのことだけではなく、自分が一人ではないこと、この世の中には叡智のようなものがちゃんと息づいていること、だったんだと思います。あなた方が発信していたのがそういうものなら、ちゃんと受け取ってましたよ。

未だにその封筒ごと、大事に持っています。当時の、田舎のガキに過ぎなかった自分が抱いていた切望まで鮮明に思い出すので、捨てられない。ある時期を確実に支えてくれた、冊子でした。
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ぷれいす東京が始まって間もなく、イギリスの基金に申請していただいたお金で、ゲイ/バイセクシュアル男性を対象とした、セーファーセックスの冊子を作った。男性同士の性行為を表現した写真を大胆に使ったものだった(おそらくそれ以降もそのよれに匹敵する明確な性表現の写真を使ったHIV啓発冊子はなかったように思う)。その冊子について彼が語ってくれた言葉だ。

それをそんな風に受け取ってくれて大事にしてくれてたんだなぁ、と、当時、その文章を読んだ僕は胸を熱くし励まされたのだった。


今ではネットなどを通じて肯定的な情報を得やすくはなっているだろう、同性を好きな仲間や恋人との出会いも簡単になっている。それでもなお、自分が同性が好きだと気づいた時、悩む子は多いと思う。そういう子たちに(「子」じゃなくてもいいのだけれど)、何か、お守りになるようなものを届けていきたい、と、この日記を読んで改めて思った。

それは、ネットを経由した言葉や情報という形かもしれない。しかし、やはり何か手元に形として残るモノをつくっていきたい気もする。昨年、ピンクドットに参加してくれた人に渡したリボンのような、簡単なものでもいいかもしれない。

いずれにせよ、性的指向や性自認にまつわることで悩んでいる人たちへ、お守りを配り届けるような気持ちで活動していくというイメージは、私たち(ピンクドット沖縄で一緒に活動している仲間たち)にはとてもしっくりくるような気がする。


[追記…実は、2006年4月は今のパートナーと出会った月。なので、その月の日記には、そんな話もちらりと登場しているという(笑)]

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by hideki_sunagawa | 2014-04-11 01:29 | Diary