2009年 12月 20日

プロフェッショナルであるということ

最初に行ったきり、ずっと足を運んでいなかった「TOKYO FM  × Living Together ポエトリー・リーディング〜Think About AIDS」の公開録音に足を運んだ。

色々な分野で活躍する人が、HIV陽性者の手記を読み、感想を述べたり、パフォーマンスをしたり…というイベント。今回のゲストは、清水ミチコ、高橋源一郎、河口恭吾、松下由樹、茂木健一郎、Fried Pride。

いずれも、一線で活躍している人だなぁと思わせるものがあった。清水ミチコさんの、まじめな話と軽妙なパフォーマンスの織り交ぜ方、盛り上げる腕はさすがだなぁと思った(アンコールで歌った、芸能界における薬物事件を茶化した歌は、いただけなかったけど)。

高橋源一郎さんは、言葉を紡ぐことを仕事にしている人としての力を感じた。ゆっくり淡々と話しているのに、飽きることなく聞き入らせる語り。盛り上がった清水さんのパフォーマンスの後でも、ちゃんと自分の世界をつくり出していた。

茂木健一郎さん。「普通という価値観によって追いやられるマイノリティのことについて、力強く語っていた。自分のことを受け入れること、自分と違う他人のことを受け入れること、その大切さを力説。

茂木さんは、コンピューター開発に大きな貢献をしたイギリスの天才数学者アラン・チューリングのことを取り上げ、彼が同性愛を理由に有罪判決を受け、同性愛の「治療」(もちろん「治療」できるわけないのだけれど)を施されることで、精神的に病み自殺した話を語った。また、オスカーワイルドの投獄にも触れ、「普通」を押し付ける社会を批判した。

ほかのパフォーマーのような「エンターテイメント」性はなかったけれど、しっかり聴衆を意識して話す内容を準備してきたこと、自分が伝えたいメッセージをまっすぐに聴衆に向ける態度に心打たれた。

このイベントの第一回目に出たときは、「全然、『ゲイ』という言葉が出ないじゃん。読まれる手記はゲイのものがほとんどなのに」と不満だったけど、そこから始めつつ、ここまでゲイについて語られるイベントに育て上げた関係者はすごいなぁ、と感心した。

最近、授業や講演で話をすることに消耗感を感じていたのけれど(定期的にそうなりがち)、言葉で伝えることの意味を感じて、もう少し僕もこの仕事を続けて行こうと思わせてくれるイベントだった。
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by hideki_sunagawa | 2009-12-20 00:23 | Diary


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