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2009年 11月 13日

「ブス」という言葉

テレビで「ブスの瞳に恋してる」というドラマが再放送されていた。そのタイトルを久しぶりに見てふと思ったのだけれど、「ブス」という言葉は、もともと性別を限定しているものではないはずなのに、一般的には女性を意味しているのはどうしてだろう?

ゲイの世界だと男性の容姿も問題にされがちなので、ちょっと事情は違うのだけれど、そうではない世界では、「ブスな女性」と表現をしなくても(まぁ、そういう表現も多々使われるけど)、「ブス」という言葉は基本的に女性を指す言葉として使われている気がする。男性の場合は、容姿に関してひどく言われる場合、「ハゲ」「デブ」などと限定されがちじゃないだろうか(どちらも当てはまる自分…<でもゲイの世界では、どの言葉も必ずしもネガティブではない)。

まぁ、ジェンダーについて考えたことがある人にとっては、もはや「いまさら」なことなんだけど、女性を「評価」するときに、どうしてこうも容姿に重きが置かれ、トータルに否定するかのような言葉が投げつけられるのか、ほんと理不尽な話だ。ジェンダーの非対称性の基本的な話ではあるけれど、なんだか腹が立ったので書いてみた(笑)。

だいぶ前になるけれど、とても容姿コンプレックスを抱いている女性の友人がいた(僕は素敵な人だなぁと思っていたのだけれど)。彼女は、恋をしたとき、懸命に世間的な「女性っぽい美しさ」へ近づけようとファッションやお化粧を工夫し始めた。

それを見つつ、そういう方向じゃない方が似合っていいのになぁ、と僕は思った(もともとおしゃれな人だったのだけれど、そんなに「女性っぽい」ファッションじゃなかった)。まぁ、ゲイにそう思われても彼女としては意味がないわけだけど。

女性に対して容姿に関する「評価」がこんなに重くなかったり、美の基準がもっと幅広かったら、彼女はもっと生き生きとできたんじゃないかなと思う。

大学でジェンダー論を教えてると、相変わらず「自分は女性として不利な立場に立ったことないし、女性が差別されていると感じない」という人が少なからずいるのだけれど、社会をよく観察したら、「そんな風に簡単には言えないだろうよ」と思ってしまう。他の人の立場には立てないわけだけど、それと、自分の経験の中の籠ってしまうのは違うことなんだけど。

ま、そういうことについて考える機会を与えるのが、大学の役目なわけだけどね…。大学で教えることに疲れつつある今日この頃だけど、もう少しがんばるか。
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by hideki_sunagawa | 2009-11-13 17:17 | LGBT/gender


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