2009年 10月 11日

訃報を聞いて…

最近は疎遠だったものの、20年ほど前から付き合いのあった友人の訃報が届いた。僕と知り合ってしばらくした頃から精神的な問題を抱え始めて、長らくつらい思いをしていた彼だった。でも、その中でもよく耐えて、生きていくための方法を見つけようとがんばっていた。彼に何もしてあげられなかったことがつらい。今は、ただ「本当によくがんばったね」と言ってあげたい。

僕のまわりには、精神的な困難さを抱えている人がとても多い。今、日本全体で鬱などの問題で苦しんでいる人がたくさんいると言われているから、性的マイノリティだから抱えている問題とは言えないだろう。でもやはり、性的マイノリティであることによって、そういう問題を抱えやすくなるのではないか、とまわりの人を見ていて思う。

社会の中で、恋人やパートナーの話をすることや、場合によっては露骨な性的な話をすることで、人と人との親密感が高められている以上、意識するとしまいと、性的マイノリティはそのような親密性から疎外される傾向がある。それが、精神的な健康を損なう一因になりがちなことは間違いないだろう。

少なくとも、同じように精神的な問題を抱えた場合、性的マイノリティであるということで、いっそう難しさが増えることは否めないと思う。そのことを医師に伝えるかどうかで迷ったり悩んだりする人も多いようだ。

そのような問題の土台には、今なお根強い性的マイノリティへの偏見や無理解があることは言うまでもない。性的マイノリティの中でおそらく最も多数であり、社会的にも安定した地位に立ちがちなゲイからは、よく「ゲイは日本では差別されていないから」という言葉をきく。僕は、それは嘘だと思っている。

僕は、先日亡くなった友人が抱えていた問題が、ゲイであることと直結していたかどうかはわからない。でも、ある時期いろいろと話を聞いてた者として、ゲイに対する社会の理解がもっとも深ければ、もっと楽になれた部分があったろうと強く感じている。同じような人が他にもたくさんいるだろう。もちろん、他の性的マイノリティにも。

だから、今さらながらだけど、声を大にして言いたい。社会における性的マイノリティに対する(もちろん、ゲイ対する、でもいいのだけれど)理解が広がり、深まるために社会に働きかけていきませんか?と。それぞれにできる方法が必ずあるから。

亡くなった彼は、いつかのパレードに、”We're a family”というプラカードを持って参加してくれた。一緒に歩く仲間が「ファミリー」という意味で。彼がその言葉に託した思いを僕は決して忘れない。
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by hideki_sunagawa | 2009-10-11 00:39 | Diary


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