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2015年 08月 11日

ピンクドットが変えた沖縄

7月19日に開催されたピンクドット沖縄2015で、那覇市が「性の多様性を尊重する都市 なは宣言」(通称:レインボーなは宣言)を宣言した。城間幹子市長自ら読み上げた。

翌日の琉球新報、沖縄タイムスともに、ピンクドット開催とレインボーなは宣言をとりあげた。琉球新報はトップ記事だ。

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この日、両紙とも一面以外にも記事を掲載していたが、後日掲載された沖縄タイムスの記事はすごかった。

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両紙ともピンクドットの初回から何度も大きくとりあげて来てくれた。若年層では、沖縄でも新聞を読まない人が多くなっているが、影響力はまだまだ大きい。この両紙が掲載し続けてくれたことは、沖縄のLGBTに関する関心を高めたことは間違いない。

また、今年は、テレビでも琉球放送、琉球朝日放送、テレビ沖縄がニュース内でこの宣言とピンクドットをとりあげ、沖縄県内にある放送局ではNHKおきなわ以外はとりあげたことになる。しかも前者2社は昨年に引き続き、小特集扱いだった。


今年のピンクドットは、企業からの支援も広がった(実行委員の営業のがんばりの成果でもある)。今回初めて特別協賛枠に「居酒屋 わらゆい」さんが名乗りを上げてくださった。

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ピンクドットの会場のてんぶす前広場に面するわらゆいさんの窓には、ピンクドットの前後に「ピンクドット沖縄を応援しています」という文字を掲げてくださり、その後もレインボーマークとLGBTフレンドリーの文字が目立つ位置に貼られている。

また、沖縄で初めてLGBTウェディングを打ち出した「カフーリゾートフチャク コンド・ホテル」さんも、今年初めてスポンサーとなってくださった。このような大きなホテルがLGBTをターゲットにした企画を大々的に宣伝することの影響は計り知れない。

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そして、沖縄のビジネス界で最大のアライ(支援者/連帯者)企業と言えるのが、初回からスポンサーとなってくださっている「ホテルパームロイヤルNAHA」さん。LGBTフレンドリーを明言していて、いつも、玄関脇のポールにレインボーフラッグが掲げられ、ロビーにも小さなレインボーフラッグが置かれている。

そのパームロイヤルさんが、ピンクドット開催の前日に掲げたフラッグがこれ。とても美しく、心揺さぶられた。

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このようなLGBTを意識したマーケティングを始めたのは、代表取締役総支配人の高倉直久さん。30代半ばの若き経営者であり、これから沖縄を代表する経済人の一人になるであろう、彼がLGBTアライであることは心強い。すでに彼のおかげで、沖縄の経営者の間でのLGBTへの関心が高まっている。

今年のピンクドットでJALグループの「JAL JTA セールス」さんが当日の抽選商品として旅行商品券を提供してくださったのも、高倉さんとが、同グループさんへLGBTとビジネスについて講演した結果だった。

そして、やはり高倉さんのつながりで、若い経営者の団体である那覇青年会議所でも、「LGBTとビジネス」をテーマにした講演会が開催され、高倉さんと僕とで話をする機会もいただいたりもした。

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行政では、今回のレインボー宣言を出した那覇市が一番進んでいる。このような宣言は、淀川区に次いで全国で二番目だが、長のリーダーシップに基づいてつくられた淀川区と異なる点は、行政の職員からの発案で進められた点だ。まだ具体的な施策はおこなわれていないが、関心を持つ行政職員が増えている証拠だろう。それを反映するかのように、今月出された、各戸に配布される那覇市の広報誌の一面全面にこの宣言とピンクドットについての記事が掲載された。

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今回の宣言に先立ち、那覇市議会では、所属の異なる三人の議員がピンクドット沖縄の名前を出して、LGBTに関する施策の必要性について質問を出してくれていた。様々なポジションの人がこの問題に関心を持ち動き始めていることを感じる。

実は、他の市の首長や、議員から「我が市でも、LGBTに関する施策をおこないたい」「パートナーシップ条例をつくりたい」という声が寄せられている。近々、その首長と懇談することになっており、また、那覇市のある議連の勉強会で話をする予定も。

これだけ各方面にLGBTに関する関心、知識、理解が広がっている地方は、沖縄以外にないのではないかと思う。このきっかけとなったのが、ピンクドット沖縄であることは間違いない。もちろん、そのピンクドット沖縄とは、それに関わり支えてくれている行政の人(特に、なは女性センターの人たち)や、スポンサーの皆さん、実行委員、ボランティア、参加者、様々な人々の集合体のことだ。もちろん、それを始めた僕自身への自負もある(笑)


けれど、最後に触れておきたいのは、共同代表の宮城さんの存在だ。彼女は、これまでフツーに目立つこともなく穏やかに暮らしてきたのに、僕が、共同代表になってくれるように頼んだがゆえに、沖縄で初めて実名を出してメディアに出たオープンリーレズビアンとなることになった。

僕のような、何かと特別に(学歴や東京在住歴の長さなどの点で)見られる人とは違うタイプの人が共同代表になることの必要性をわかって、彼女は、この重い任務を引き受けてくれた。代表としてこのような活動の団体の顔になるということの大変さは、なったものでないとわからないだろう。それこそ、これまでいろいろな団体の代表を務めたことある僕でさえ、その大変さが平気になることはない。

彼女が過去三回、共同代表を務める間、どんなに大きなプレッシャーを受けてきただろう。しかも大変な慢性病も抱えながら。しかし、そんな中、彼女は、僕の愚痴や不満、苛立ちを聞き、時に笑わせながら励ます役割を果たしてくれた。そのことだけが理由ではないが、彼女と彼女のパートナーのまゆみさんがいなければ、僕はとっくに沖縄を離れただろう。

いつも僕の陰に隠れる形になるけれど、彼女がいなければピンクドットは三回も開催できなかった。実は、沖縄を変えたピンクドットには、そんな彼女の存在もある。彼女は沖縄のLGBTの状況を変えた重要な一人であることはいうまでもない。

さてさて、この3年間、僕と宮城さんが顔となってきたが、若い人たちも随分と育ってきた。ピンンクドットも新しい段階に入る頃だろうか。どんな形になるとしても、沖縄はまだまだ変わり、さらにLGBTに関する先進県になることだろう。


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by hideki_sunagawa | 2015-08-11 20:51 | LGBT/gender


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