One Voice

hidekiss.exblog.jp
ブログトップ
2014年 05月 28日

「宿題」に生かされる

READYFOR?というクラウドファンディングを使って資金集めをしていたプロジェクト「同性カップルの『里帰り結婚式』をピンクドット沖縄で実現したい」は、おかげさまで、目標達成額を越えました。皆様のご支援に心から感謝申し上げます。ありがとうございます(まだ支援募集中です)。

先日、「里帰り結婚式」の主役であるゲイカップルのお一人、沖縄出身の金城一樹さんのお母さん、弟さんにピンクドット沖縄共同代表の宮城、実行委員の小渡と一緒にお会いしてきました。今回は、そのときのお話を…

a0137527_110063.jpg


▼里帰り挙式の意味

弟さんとは何度かFacebookを経由してやりとりがあったもののお愛するのは初めてで、お母さんとはまったくやりとりをしたことがなかったので、お会いするまでとても緊張していました。

しかし、率直にご自身の気持ちを語られ質問してくださったお母さんと会話をする中で、緊張を忘れるような熱い気持ちに。

まず僕から、お母さんに、今回のプロジェクトの始まった経緯やその意義等についてご説明。

挙式を挙げる一樹さんと私とは直接お会いしたことはないけれど、同じ沖縄で思春期を過ごしたものとして(時代は違えど)、そこに住む同性を愛する人、同性のパートナー/恋人がいる人たちに希望を与えたいという思いを共有していると。

一樹さんが、沖縄に住んでいる頃にラジオを通じて知った、同性パートナーと米国で(結婚して?)住んでいらっしゃる沖縄出身のゲイの方の存在に励まされたとおっしゃっていたこと、今度は自分がその番になることを考えていらっしゃるのだろうということについても伝えました。

そのラジオの方は、仮名での出演で、スタジオでもできるだけ顔を合わせないように工夫されたものだったとか。今度は、一樹さんが実名で登場し、パートナーと皆の前で挙式をあげる…その意味をお母さんは理解してくださったように感じました。


▼お母さんのお気持ち

お母さんは、自分が一樹さんのこと、ハロルドさんとの関係を受け入れられるまでに時間がかかったことも話されていました。今も時折、「世間」のことを考えて揺れることも率直に語ってくださいました。

それに対して、私は、「ゲイやレズビアンなどの当事者も自分のことを受け入れられるのに十何年、あるいは二十何年も(あるいはそれ以上)かかります。伝えられた側も同じだと思います。また、同性愛を笑い、嫌悪する言葉をたくさん見聞きしてきた以上、『当事者』でも、心のどこかに同性愛を否定する気持ちが取り込まれているんです。揺れて当然です。」と答えました。

お母さんの揺れる気持ちを聞いていた宮城は、「自分の母親もいろんな気持ちがあったんだろうなと思うと…」と込み上げるものを押さえ切れずに、声を詰まらさせて涙を拭っていました。彼女も、昨年、ピンクドット沖縄後に新聞にレズビアンとして登場し、それをきっかけにお母さんにカミングアウトしていたので、そのことと重なったのでしょう。


▼弟さんの言葉

そんなやりとりをじっと真剣な、しかし温かいまなざしで見ていらした弟さんでしたが、お母さんから「何か聞いておきたい事ある?」と聞かれて、ある思いを語ってくださいました。それは、「質問というより、お願いがあります」という言葉で始まりました。そしてこう続けられました。


「母のような人は、マイノリティの中のマイノリティだと思うんです。LGBTは、仲間と出会うこともできますし、これから10年先にはにだいぶ状況も良くなるでしょう。

でも、親は同じ立場の人に出会い、つながることは難しいです。母も一人で抱えて大変だったと思います。相談できる人もいなくて。

だから、今回のことも含めて、自分たちの経験を、周りの人たちが受け止めいく経験をなんらかの形で他の同じような人たちに伝えていく方法を考えて欲しいんです。自分たちの経験を活かしてください。」


かみしめるように、真摯に心の底から出て来るようなその言葉に、それまでこらえていた涙がが僕の頬を伝いました。以前から、お兄さんを支えようとする弟さんのお気持ちに感動していたのだけれど、弟さんが、お兄さんやお母さんと同じような立場の人たちのことまで考えていらっしゃったこと、そのために自分たちの経験を約に立てたいという思いに心が揺さぶられました。


▼宿題として

僕は、「自分たちの経験を、他の同じような人たちに伝えていく方法を考えて欲しい」というその言葉に宿題をもらったという気がしました。

どのように今回のことも含め、金城さんのご家族の経験を活かし伝えて行くことができるのか…。以前から、LGBTの家族のことが気になっていただけに、そろそろそのことをめぐって本格的に動く必要があるかもな、と思いました。

そして、その宿題を与えていただいたおかげで、「まだ生きなければ」という思いも。

実は、僕は常に「死」への意識が頭にある者です。それは、これまでまわりで若くして亡くなる人が少なくなかったことから、「人はいつ死ぬかわからない」という意味でもあるけれど、ベースに自殺念慮(というより生きる事を放棄したくなる思い)があるという意味ででも。

僕を愛し支えてくれる僕にはもったいないくらいのすばらしいパートナーがいて、一緒に活動をする信頼する仲間たちや様々な場面で支えてきてくれたありがたい友人たちもたくさんいて、自分の理解してくれる家族がいるにも関わらず、なぜかそうなのです。その理由はわからないけれど。

経済的な問題のせいかもしれないし、幼い頃からの様々な体験(ゲイであることに由来することも含め)のせいかもしれないし、あるいは、大切な友人を失った経験からかもしれません。おそらくそれらの混合か…。

時期によってもだいぶ違うのだけれど、最近は、また、いくつかの問題からまたヤケになる気持ちが高まり、そのような思いが強まることが少なくない時期だったりもします。そんな中、弟さんがくださった宿題に、生き続けるようにと言われたような気がしました。


▼宿題に生かされる

僕は、その言葉を通して、「お願いがあります……生きてください」と言われたかのようにすら感じました(そう感じたということは、生きることを放棄したい気持ちとともに、当たり前だけれど、常に「生きたい」という思いもあるということと思っています)。

思い返してみると、いつも「宿題」に生かされてきたようなところがあります。「このイベントを成功させるまでは」「このことを成し遂げるまでは」「いろんな人たちからの支援に応えるまでは」…等々。

それでもなお、いつか「もうダメ」と立ち止まり人生から降りたくなるときが来るのではないかという不安もあるけれど、でも今は、そのいただいた宿題をこなすことを目指して「今日一日、明日一日」と言い聞かせて歩んでいこうと思っています。

その一日一日を支えてくれている皆に感謝しつつ。そして、その先まで生きるための宿題をもらえたことにも感謝しつつ。


ーーーーーーーーーーーー
→ ブログトップへ
[PR]

by hideki_sunagawa | 2014-05-28 11:02 | Diary


<< すごいんです!ピンクドット沖縄!      「人生は旅行」 >>