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2012年 10月 28日

『クリエイティブ都市論』

▼連続講座2修了

「『男女共同参画』を意識したコミュニティ活性化事業  連続講座2:ジェンダーとコミュニティの関係について考える」(主催:レインボーアライアンス沖縄 共催:なは女性センター)の三回目(最終回)が本日終了した。

一回目、二回目は定員(15名)を上回る参加があった。今日はワークショップにはちょうどいい10名の参加。ジェンダーやセクシュアリティについて、日々の生活の中で嫌だなと思うことを上げ、それを解決するために自分たちができることについて考えてみた。

このようなワークショップをやる度に、なかなか改めて話し合ったり、共有したりする機会のない問題を共有することって大事だなぁ、と思う。今回も参加者それぞれにエンパワーされたように見えた。

▼「ボヘミアン=ゲイ指数」

ワークショップの後に、リチャード・フロリダの『クリエイティブ都市論』について紹介。フロリダ氏は、統計分析を元に、都市と経済の関係についてとても興味深い結論を出したことで有名だ。誤解を恐れずにあえて単純化して言うと、「ボヘミアン=ゲイ指数」の高い都市(圏)はクリエイティブな人が集まり経済的に活性化するというもの。

「ボヘミアン=ゲイ指数」とは、芸術関連の人たちやゲイ/レズビアンの人たちの比率を言う。しかし、これはそういう人たちが集まっていることが直接的に経済的活性化に結びつくというより、その指数の高い都市は、新しい経験へ柔軟であり、そのような人たちへの寛容度の高く、それにより多様な人材をひきつけることでクリエイティブな産業が発達する、ということを意味している。

▼住む地域の重要性

実は、この本で強調されているのは、よく「グローバリゼーションにより世界がフラット化している」と言われるが、実際にはそうではない(一定の都市圏に人々やクリエイティブさなどが集積する傾向がある)ということ。そして、どこに住むかが人生に大きな影響を(特に経済的な面において)もたらすということだ。

ちなみに東京圏は、そのような最も集積度の高い地域の一つとして挙げられている。もちろん、幸福感は必ずしも経済的な面だけに左右されるものではないことは指摘されているが(そして、多くの人が、ある年齢になると故郷に戻ることを考えるとも)、自分を振り返りつつ、沖縄に戻ったことについて考えさせられたりもした。

▼GRADiの意味

しかし、これを読みながら、自分がGRADiという場所をつくって、やろうとしていることへの意味付けを改めて確認することもできた。今、僕は沖縄を舞台に、多様さがコミュニティに活力を与えて行くということを示すための実験的な実践をしてるんだなぁ、と。多様な人たちが交差し集まることをやってみて、そこから何が生まれるのか、どう地域に波及していくのか。

どの程度のことができるかわからないけど、いろいろ楽しみながらやっていこう。




by hideki_sunagawa | 2012-10-28 23:49


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