2012年 06月 03日

伝わらない話…

ひょんなことから、僕の言ったことを間違って受け取り、批判しているブログを見つけた。

基本的に、ネット上で僕について書かれていること、特に匿名のものは見ないようにしいてるし、見ても、大部分が嘘や誇張、話のすり替えなど、あまりにもくだらない内容なので、気にしないようにしている。

しかし、このブログでは、真面目にセクシュアリティやジェンダーについて書いているようなので、誤解をちゃんと指摘しておきたい。


記事のタイトルは、「人を見たら多数派と思う」

コメントとして書き込んだのだが、エラーが起きたので、そして、書いている人の連絡先も見つからなかったので、こちらで書いておくことに。

まず、これを書いている人は、僕が講演で次のように言ったと書いている。

ーーー
「じゃあとりあえずよくある質問とその答でも」と
砂川さんが話し始めたのが
「ゲイってどんなセックスをするの?」
という問いと
「別に全員アナルセックスするわけじゃないよ。
ていうか初対面の人にあなたはどんなプレイをするの?
なんて異性愛者には聞かないよね。なぜなら失礼だから」
という答。
ーーー

おそらく、「別に全員がアナルセックスをするわけじゃないよ」というようなニュアンスのことを言ったのは確かだろう。僕は、講演では、「ゲイがセックスと意識する行為の中でインターコースの占める割合は、異性愛者がセックスと意識する行為の中でインターコースの占める割合より低い」とい話をするからだ。性行動調査の結果をもとに。

しかし、その後がまったく逆の話になっている。僕は最初にゲイとして大学で話をしたときから、<必ず>、「そういうことを聞くと、異性愛者にはそういうこと聞かないのに、失礼と怒る人がいるけれど、僕は決してそのような質問には怒りません。情報がないので、不思議に思ってある意味では当然だと思います」という言い方をする。

たぶん、これを書いた人は、「全員がアナルセックスをするわけじゃない」という話を聞いた時点で、僕の話を勝手に推測し、その結果、僕の言ったことをちゃんと聞いていなかったのだろう。

「似たような話を本やなんかで見た覚えがあったし」という意識が、そういう風に聞き違いを起こしたのかもしれない。


ちなみに、「けれど機先を制して下世話な話をたしなめるのは無知なマジョリティから無神経な質問や失礼な扱いを多くされてきた結果だろうと後からようやく思い至って」とあるけれど、僕はそういう質問を受けたことがほとんどない。

むしろ、「何を聞いたら失礼になるのか…」と控えめになる傾向があるので、先のような、「そういうことを聞いても怒りませんよ」と言うようにしているのだ(もちろん、ホモフォビックのような発言があったら、返答の語気は荒くなりがちだろうけれど)。


そして、「テーマ的にみて受講者のセクマイ率はきっと高かったはず」と、この書き手は推測しているが、僕が色んな大学でたくさんの講演や講義をしてきた経験として、そういうことはない。もしかしたら、他の授業より高いことはある<かも>しれない。

もちろん、全ての聴衆のことを把握しているわけではないが、書かれるコメントから、「当事者」やそれに近い人の占める割合は、常に極めて低い。


社会問題も含め、真面目に書いているブログなのに、誤解(あるいは記憶違い)や、勝手な憶測を根拠にこのような文章が掲載されるのはとても残念だ。

しかし、聞き手には常に聞き違えや誤解をする人はいるもの(自分もそういうときもあるだろう)。そういうものとして諦めなくてはいけない面もあるかもしれない。しかし、それに基づいた批判が誰もがアクセスできる中にあるという現実。

そのように聞き違えや誤解をした人の情報が溢れていて、それにまた誰もがアクセスでき、往々にして再生産もされる…やはり、メディアリテラシー教育が必要だと痛感する。
[PR]

by hideki_sunagawa | 2012-06-03 06:13 | Diary


<< 生活保護問題(稲葉剛)      「世界のLGBT事情を考えるパ... >>