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2012年 05月 23日

「世界のLGBT事情を考えるパネル展」の報告

同性愛差別に反対する国際デー(IDAHO:International Day Against Homophobia)にあわせておこなった「世界のLGBT事情を考えるパネル展」、46名の来場者がありました。ご来場くださった皆さん、どうもありがとうございました。


▼再会

一日目は、身近な知り合いが何人か顔を出してくれました。姉も来てくれ、「見てよかった。大人がかわらなくちゃダメだね」と後でメールをくれました。

二日目は、その日に、「琉球新報」「沖縄タイムス」に小さいながらも紹介が載ったことで、それを見て来てくださった方がたくさんいました。

パネルを見始めるなり涙を流された女性は、僕のスライドを使った説明を聞き終えた後すぐに、どなたか(おそらく自分にとって大切な人)に電話をし「見て欲しかったー」と話していました。

スライドの後も、何か話したげに残っていた男性は、実は、小学生の頃から思春期にかけての顔見知りで昔のご近所さんでした。少し迷いつつも、自分もゲイであることと、僕とのつながりを語ってくれ、驚きながらもうれしい再会となりました。


▼それぞれの生きづらさ

その日の夜、年配の男性が来場。彼が、スライド説明の後、「人は皆バイセクシュアル」と言いながらも、ホモフォビックな主張を声高にしたため、僕は強く反発し、激しいやりとりに。そのやりとりを聞いていた女性(non-LGBT)が、自分が経験してきた生きづらさを語ってくれ、LGBTの生きづらさと結びつけて話してくれました。

その年配の人が帰った後、その議論の前からいた男性が、自身もゲイであることと自分が抱えている問題についても率直に語ってくれました。

実は、その日は、早い時間からゲイライツアクティビストの大先輩が来てくださっていました。先の年配との男性との応酬をあえて黙って見つめていた彼は、僕の対応について「それでよかった、他の人が安心して話せる空間をつくったのだから」と、後のスタッフ慰労会で言ってくれました。どんな対応しても「これでよかったのか」という思いが残る中、その言葉にどれだけ救われたことか。


▼アライズ(allies)と当事者の出会いから

三日目、60代とおぼしきご夫婦が、雨の中、道に迷いながらも来てくださいました。パネルに書いた文章を、本当にじっくりと時間をかけながら熱心に読んでくださっている姿に、その文章を書いたものとして涙が出ました。

スライドの説明を聞いた後、夫が「親にカミングアウトできないというのはどういう気持ちなんでしょうね…。親なら受け止めるでしょう?」と語った言葉が印象的でした。その言葉に、妻は「そうでもないよー、私知ってる人がいるけど…」と。温かい雰囲気を漂わせた素敵なご夫婦でした。またお会いしたいものです。

その日、一人で訪れた男子大学生と、60近いというnon-LGBTの女性が、たまたま一緒にスライドを見る機会がありました。女性が、「差別する人の気持ちの方がわからない」と語り、自分の身近なレズビアンの方の話をするのを聞いた後に、男子大学生が同性に恋をしたときの難しさについて語ってくれました。

その後、その大学生と活動に興味を持ってくれているレズビアンの女性と僕と三人、年代が違いながらも、いろんな話を共有し、楽しく語らいました。彼女が、後でくれたメールに、「こういう場をつくってくれたことに、感謝します」と繰り返し書いてくれた言葉に力づけられました。


▼希望を感じる出会いの数々

最終日。
いつも応援してくれている大学教員の異性愛カップルが、忙しい中、時間をつくって来てくれました。この日、二人の温かいサポーティブな雰囲気にエネルギーをもらってのスタートに。

レズビアンの方がたくさん来てくれ、彼女たちが、強い問題意識を持って、展示のことを受け止めてくれた方が多かったのが、印象深く、そんな彼女たちからたくさんのエネルギーをもらいました。そんな様子を見つつ、沖縄のLGBTの活動を活発にするのはレズビアンかもな…思ったりも。

終わり時間近くに来てくれたのは、若者三人でした。実は、僕の非常勤講師先の講義を受講した女子大学生が、一緒にエイサーをやっているという二人(男性)を連れてきたのでした。

三人とも真摯な態度でパネルを読み、スライドを使った説明も聞き入ってくれました。その様子に、僕も語りつつ、声を詰まらせることもありました。スライドが終わった後も、そのエイサー団体の代表らしい若者が話を深める質問をしてくれ、その様子を見て、一緒にスライドを見ていたゲイカップルの友人が、自分の話をしてくれました。

若者三人の、明るく、まじめな姿には、将来の希望を感じました。


▼感謝の思いをもって

ここにはすべてを書ききれなかったけれど、他の来場たち者の様子や言葉もすべて心に残っています。決して多くはない来場者の数だったけれど、それだからこそ実現した密なやりとりが多く、多くの人に向けて伝えるだけでなく、個々人と対面しながら語り合っていくことの意義を痛感しました。

そして、このような場所があることの意味も(維持するのは、経済的にはかなり困難だけど…)。

今回のこの展示も、ともに活動している仲間や、友人たちに支えられておこなうことができました。いつも支えてくれている活動仲間の二人、電話番をしながらずっとこの空間に共にいてくれた友人、さりげなく差し入れを持ってきてくれたり顔を出してくれたりした友人。遠くから応援してくれているパートナーや友人たち。

そんな支えと、来場者の皆さん、そして、宣伝してくださった方々のおかげで、とても意義深い展示となりました。あらためてお礼を。どうもありがとうございました。
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by hideki_sunagawa | 2012-05-23 12:09 | LGBT/gender


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