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2012年 03月 20日

もつれた糸のときほぐし方

先週の土曜日、なは女性センターで、勝方=稲福恵子さん(早稲田大学 琉球沖縄研究所所長)の講演があり、足を運んだ。

僕自身いろいろとお世話になっているし、会うとほっとできる方なので、お会いしたいなぁ、と思って(一応?、僕は、同研究所の招聘研究員でもある)。講演前のやりとりでも、講演中でも、柔らかい話し方。こういう語り方ができるといいなぁ、と思う。

講演のタイトルは、「私にとっての沖縄女性学」。彼女自身が母親と祖母との葛藤を見つめつつ感じていたこと、自身がそこから逃れたいという思いから沖縄を離れたこと、などを語りつつ、そこを乗り越えて行く中で出会って来た(乗り越える力をもらってきた)文学やフェミニズムの話だった。

僕も大学の学部は英文科だったので、改めて英米文学も読みたいなぁ、と思ったり、ああ、フェミニズムの土台となっている理論も勉強し直したいなぁ、と思いつつ話をうかがっていた。

彼女は、フェミニズムの色々な理論を紹介した後に、「それぞれに、もつれた糸のときほぐし方は違う。だから、批判するときに、『あなたは間違っている』と言うのではなく、『自分の場合は、こうだったけれど、あなたはそれでいいの? それで余計に、もつれさせてない?』と言いたい」と語っていた。

この表現、すばらしいなぁ、と思った。活動するにしても、研究するにしても、大事にしたいなと(社会をどう変えて行くか、という問題の場合は、そうはいかない面もあるけれど)。

また、質問で、「言語の問題に触れられていなかったけれど…」と「うちなーぐち修復」に取り組んでいる人(「修復」という言葉を使われていた)から、独立言語としての「うちなーぐち修復」について、彼女の考えを問う質問があった。

僕は、正直、その質問を聞きつつ、「いや、それ、今回のテーマの範囲じゃないから」と思ったが、恵子先生は、その活動/運動の意義を認めつつ、そして自身も「うちなーぐち」への愛着を語りつつ、「でも、誰かを抑圧したり、分断させるものにならないように気をつけないと」と答えていた。

その回答もいいなぁ、と思った。全体として、それぞれが抱えているもつれをどう解きほぐすのか、その中で(あるいは、そのために)、どう人とつながり、どう思想を使い、つくりあげていくのか、という意識を感じる、いいお話だった。

人文/社会系の研究者としてこうありたいなぁ、と思い、少し、学問への思いがまたよみがえって来た。僕は、今は、自分のやりたい研究と教育をやるためには、大学に就職しないほうがいいと考えているのだが、こういう研究者の方々とのやりとりは続けて行きたいなぁ、と思っている。
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by hideki_sunagawa | 2012-03-20 13:22 | LGBT/gender


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