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2012年 02月 15日

Q&A

先週の金曜日のなは女性センターでの講座、多くの方に来ていただき、雰囲気もよく終えられました。ご来場くださった皆様に感謝。

さて、この講座に来てくださったある方から、メールで質問をいただきました。ご家族とPCを共有しているので、メールでやりとりはできないとのことでしたので、この場を借りてお答えしたいと思います。


質問は以下の二つでした。

>カミングアウトする勇気はどこからくるのでしょうか。
> 親に孫をみせられないことに対して、どう考え親とどうむきあっているのでしょうか。


(1)カミングアウトについて

実は、今の僕にとっては、もはやカミングアウトはあまりにも自然なことであるがゆえに、「勇気」を必要とするものではないのです。もちろん、最初からそうだったわけではありません。

自分が同性が好きだということを初めて友人に伝えたのは、中学時代でした。そのときは、とても緊張しましたが、友達は、「ふーん、そうなんだ?」という感じであっさりと受けとめてくれました(心境はどうだったかわかりませんが)。

そしてその後も、彼は僕の片思い話や、悩みを嫌がることなく聞いてくれ、その関係は高校時代もずっと続きました。この受けとめてもらえた経験が、僕にとってとても大きかったと思います。

その後、少しずつ、自分が信頼できる友人(当然それは自分にとって大切な人たちでした)に、伝えるようになっていきました。それでも、20代の半ばくらいまでは、そのことを口にするハードルは高かった事を覚えいてます。時には手紙で伝えました(まだメールのない時代です)。

けれど、自分のことを知ってくれる人が身の回りに増えていけばいくほど、次第に、なんでこのことを隠さなくちゃいけないの?と感じるようになりました。異性愛者は、異性との恋愛についてさんざん語っているのに…。

20代後半にはだいぶオープンになっていましたが(二人の姉にもその頃に伝えたと思います)、大きな転換は、大学院の面接試験のときに、「自分はゲイの立場から、ゲイのコミュニティの調査をします」と言ったことでしょうか。その後、大学院に入ってからの自己紹介でも同じことを繰り返し言いました。

遡って考えると、僕は別に「勇気」があったのではなく、自分のことをわかって欲しいという思いが強かったのだと思います。

次第に、いろんな人と出会う中で、自分がゲイであることをわかってくれる人がたくさんいることを実感し、そして、僕がつながりたいと思っているような人ほど、このことをちゃんと考えて受けとめてくれたので、「このことで離れる人がいるなら、それはそれでいいや」と思うようになったのです。

自分がつながれる人たちがたくさんいると実感できたことは大きいですね。


(2)親との関係について

父は2000年に亡くなったので、今は、母との関係ということになります。

僕は正直、これまで、「親に孫の顔を見せる」ということに重要な意味を感じたことがないので、この質問に答えるのは難しいなぁ、と思っています。異性と結婚しても子ができないことはたくさんあります。また、子をつくらないという選択をする人もいるでしょう。

冷たい言い方に聞こえるかもしれませんが、それで、親が残念に思ったり、悲しむとしても、それはしょうがないことです。人生において、誰しも自分の望みが常に叶うわけではありません。自分の望み、希望、夢が叶わないと知ったとき、そのことをどうとらえ、自分の中に生じる落胆をどう処理するかは、最終的にはその人自身が考え、消化するしかないことだと僕は考えています。

僕が不思議に思うのは、皆、そんなに親のために生きているのかなぁ?ということです。親の望む通りの子どもであり続けたのか? 親の望む進路を選んで来たのか? 親の望む通りのところに就職したのか? 親が望む相手と結婚したり、パートナー関係を結んで来たのか? 親の望む通り子をつくってきたのか? 親の望む通り生活をサポートしてきたのか?

同性愛者であるということを大事にして生きていくこと、それを伝えることをめぐって、親に落胆させることを責めるような言い方は世の中に溢れているのですが、そのような言葉を耳にする度に、僕は、上記のような疑問を感じたりしています。

親の期待にどれだけ応じるか、それぞれに違いはあるのでしょうが、同性愛者であるということは、僕にとってはとても大事なことですし、誰を好きになり、誰と人生を共にしていくか、ということを親の望みのために諦めたいとは思わないですね。

だからと言って、親と断絶する必要もないわけで、親が理解できるようにできる範囲で努力をし、関係もできる限りつないでいくことはできると思っています。

答えになっているかどうかわかりませんが、そういう風に考えています。

私自身の関係で言うと、伝えた当初、戸惑い、悲嘆していた母親ですが、今は、パートナーを連れて行くときには料理をつくって歓待してくれるようになりました。10年前には、そういうあり方は想像すらできなかったし、だからそういうことを望みもしなかったけれど、こうした受容を経験してみると、「こんなに幸せに感じるものなんだなぁ…」と実感しています(もちろん、人それぞれ親との関係は違うので、それぞれにどういう距離がいいのかは違うと思いますが)。

ーーー


<メールをくださった方へ>

さて、メールでのやりとりですが、ご家族とPCを共有していても、yahooやhotmail、googleなどでは、web上で自分だけで管理できるメールアドレスを得られるので、そういうところにメールアドレスをつくってメールをくだされば、もう少しやりとりできるかと思います。

また、電話でのやりとりは、自分が苦手なこともあり、今のところ対応していないので、今回はブログを通じてのお返事となりました。同じような質問を抱いている人も少なからずいらっしゃると思うので、自分の考えをまとめるのにいい機会をいただいたと思っています。ありがとうございました。
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by hideki_sunagawa | 2012-02-15 18:44 | LGBT/gender


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