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2011年 11月 19日

日本全体がDADT

DADT(Don't Ask, Don't Tell=聞かない、言わない)というのは、クリントン政権下で1993年に成立して以来、今年まで、米軍の中での同性愛に対する扱いの基本とされてきたポリシーだ。それは、当初、同性愛者の権利を認める方向でいたクリントン政権が、保守派との妥協として生み出したものだ(同性愛を認めない、ではなく、聞かない言わないならオッケーと)。

しかし結局、同性愛者であるということを明らかにする(あるいは、明らかになる)と軍から追放されるというポリシーとしても機能したようだ。

さて、一昨日、ゲイの漫画家として世界的にも有名な田亀源五郎さんが、日本の同性愛者をめぐる状況をこのDADTに例えて説明されていた。納得!その話が出た流れにも色々と大切なことを書かれてたので、その一連のツイートをここで紹介。

ーーー田亀さんのツイートーーー

The Moscow Times:ロシア、サンクトペテルブルグの立法機関が、LGBTがセクシュアリティをオープンにすることに罰金を科す法案を仮受理…という、ちょっと信じられないようなニュース (´・ω・`)  ニュースのリンク

サンクトペテルブルグの法案の件、ざっと読んだだけだけど、最初の審議は既に賛成37、反対1、棄権1で通過、正式可決まではあと2回の審議が必要だが、まだその日程は公表されず、可決すればプライドパレード等の公的な場での行動や提言が違法となる…ってな感じみたいですね (´・ω・`)

法案作成者の言だという「性的逸脱者の増加が子どもたちに悪影響を与える」というロジックに激しく既視感。性的少数者の存在や行為そのものを禁じるのではなく、そういった性的指向をプロモートすることを禁じる法案なので、仮に日本でも同様の提案があれば、あんがい通りかねない気もする…

正直なところ日本では、性的少数者がオープンな存在になる(可視化する)意味とか、そういった諸事が人権に関わる問題なのだという意識が、当事者を含めて希薄な気がするし(私見ですけどね)、don't ask, don't tellポリシーを是とする層も多いような気がするので。

つまりどういうことかというと、「パレード禁止になるよ」と言われても「別にどうでもいいよ、そんなこと」ってゲイも多いだろうし、ゲイ差別には反対の人でも、学校教育でLGBTについて教えるとか公立図書館にそういう書籍を入れるのにはネガティブだという人も多いんじゃないか、ってことです。

則ちこういった法案は「個人の自由だから、見えない所でなら自己責任で何をしてもいいよ、でも人前や公の場ではやめてくれ(もしくは『そういったことは公にすべきものではない』)」といった考えの層には、見事に合致してしまうわけですよ。イヤな意味で、上手い手口だ (´・ω・`)

ーーーーーー

最近、やはりあるゲイの漫画家さんとも、日本の中でも同性愛を弾圧していく流れができるのではないかと話していて(彼は、ナチスが台頭してく直前のドイツの状況を詳細に調べて、そういう実感を持っている)、その話とも合致する田亀さんのツイートだった。

そう、最近何度か書いているように、社会は、人々が生きやすいよう方向にだけ変化していくわけではない。一旦、自由や平等を価値とした(それが必ずしも実現していなくても価値として認めることが重要だ)社会が、それらを放棄していくことは珍しくないということを歴史が示している。

それに抗することができるのか、これまた、色々な歴史をひもとく必要があるかもしれない。
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by hideki_sunagawa | 2011-11-19 06:16 | LGBT/gender


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