One Voice

hidekiss.exblog.jp
ブログトップ
2011年 11月 16日

「ゴーヤー」が「正しいウチナーグチ」か?

▼「ゴーヤあらん」?

この前、テレビを観ていたら、沖縄県内でしか流れてないCMのような番組で、「ゴーヤあらん。ゴーヤーくとぅ、棒線つきてぃぬばすんかいうちなーぐちどー」みたいなことを言っている人がいた。

ま、この引用は、記憶を頼りにかなり適当に書いたので間違っているかと思うが(「うちなーぐち」としても)、つまり「(にがうりを)ゴーヤ、ではなく、ゴーヤーと、伸ばして発音するのがうちなーぐちです」ということを言っていたのだ。

最近、沖縄では、「うちなーぐち復興」の気運が高まっていて、色々と考えるところがあるのだが、とりあえず一つ言うならば、このように細かい発音を取り上げて、正しいとか正しくないとか主張されることには、強い抵抗感を感じる。


▼県内言語のバリエーション

「うちなーぐち」を、現在、沖縄県としてくくられている地域の言語として解釈するならば、その中に大きな差異がある言語がたくさんあることは言うまでもない。八重山、宮古と本島の言語がまったく通じないことは有名だ。また、本島内でも北部と南部とでは異なる。さらに、それぞれ、基本的には同じ言語の範囲でも、語彙や発音等の細かいバリエーションをあげると切りがない。

ちなみに、この「ゴーヤー」に関してだが、八重山毎日新聞のコラムにこう書かれてある。

ーーー
「『ゴーヤー』(ニガウリ)は、石垣島の方言では『ゴーヤ』と言う」と石老連が訴えた。定例の品評会の名称で「ゴーヤーと伸ばさないで」と注文をつける。本島方言が、「島言葉」として伝えられていくことに危機感を示したものだ。確かに、若い世代はサトウキビを「ウージ」と呼び、八重山方言の「スッツア」という人は少数になっている。(後略)
ーーー

まぁ、最初に引用した説明をした人は、「ここで言う『うちなーぐち』とは、本島の言葉のことです」という立場なのかもしれないが、それでも、「この発音が正しいのです!」みたいに言われるとなぁ…と僕は感じる。

先日、この話を友人としたときに、友人も「個々の場面で、その発音に出会ったときに、『いや、(自分たちは)ゴーヤーっていう言い方をするんだよー』という程度のコメントをするならいいけど」と言っていたけど、僕も同じように思う。また、「ゴーヤって言ってもいいんじゃない?」とも。


▼「正しい」/「正しくない」

だいたい、「正しい発音」という話になったら、「共通語」の語彙で、沖縄で広く使われている発音やイントネーションが「正しくない」ものもあるだろうよ…。言葉ってそういうものだ。様々な発音、イントネーション、使用方法等が混じり合っているもので、そのバリエーションが言語を活き活きとさせているのではないだろうか?

まぁ、それでも、「共通語」のような基準を、うちなーぐちにもつくるというのもありなのかもしれないが、今のところ、とりあえずそんな基準はないわけで…僕としては、そういうものは作って欲しくないが、遠くないうちに、うちなーぐちの共通語(というよりこの場合まさしく標準語)を作ろうということを主張する人が出て来るだろう。

そうやって、日本語の共通語の完成によって、地方の差異、あるいは個人の差異が「正しくない日本語」に位置づけられていったように、うちなーぐちもバリエーションを「正しくないうちなーぐち」としていくのだろうか。
[PR]

by hideki_sunagawa | 2011-11-16 06:17 | Okinawa


<< イベントのお知らせ      「勝利者史観」 >>