One Voice

hidekiss.exblog.jp
ブログトップ
2011年 11月 09日

伝える、伝わる

昨日、今後沖縄で開催される、ゲイ/バイセクシュアル向けHIVおよびSTI(性感染症)検査に向けて、その作業にかかわる検査技師さんたちに、セクシュアリティの話をした。

最初に『カミングアウト・レターズ』の一部を抜粋して読んで説明を加え、その上で、セクシュアリティの多様性に関する基本的な話を。最近、知識的な話よりも、『カミングアウト・レターズ』に現れているような情緒的な話から入ったほうが伝わりやすいなぁ…と感じている。

去年、辛淑玉さんにインタビューをしたときも、怒りは伝わりにくいが悲しみは伝わりやすい、という話をされていた。


よく、差別にからむ問題の中で、「知識が大事」と言われる。確かに、そういう面もあるし、問題によっては知識で解決されることもたくさんある。けれど、実は、感情的な共感をどう持てるか持てないかによって、知識が入るか入らないかの差が生じることも多い。

しかし、それが、悲しい、かわいそうなマイノリティ像を強固にしてしまう結果に終わると、またそれは問題を別の形に変形したに過ぎなくなってしまう。その隘路をどう縫って伝えて行くか、を模索せねばと思う。


で、そのような入りだったから、というわけではないのだが、今日は、とてもいい反応をもらい、話した甲斐があるなぁ…という感じだった。

終わった後に、僕よりも年上の男性が、「世間では異常と見られがちだけれど、『自然』ということですよね」と言ってくれた。往々にして、セクシュアリティやジェンダーの話の中では、「自然」という言葉は問題化されるけれど、そのトーンには、自分の話が受け入れられたという印象を受けて、とてもほっとした。

また、別の、やはりその会で一番年齢が上の(と自称していた)女性は、「何かがパカっと外れた。自分の子どもがそうだったら、どうだろうと考えた」と語ってくれた。その言葉にも励まされるような思いがした。

もちろん、黙っていた人の中には、「うーん、どうもなぁ…」という人もいたかもしれない(僕の経験では、沖縄の人には、賛成しないときには黙る人が多いという印象がある)。けれど、その二人の言葉を聞けただけで力づけられたし、その後の別のやりとりでも、僕のメッセージを受け取ってくれた人が多かったのではないか、という感じだった。


自分をさらけ出してぶつかれば、受けとめてくれる人は少なからずいる。それは、これまで様々なところで話をしてきて実感していることだ。もちろん、批判する人、嫌がる人、陰口を言う人、いろんなネガティブな反応をしている人もいるだろうが。

けれど、自分にとって重要なことを伝えないまま、そういう後者の人たちとつきあってもしょうがないな、と思う。いつ終わるかわからない人生、なるべく、楽しい付き合いを増やして行きたいな、と改めて思った日だった。
[PR]

by hideki_sunagawa | 2011-11-09 06:12 | LGBT/gender


<< いろんなひとたちとの出会い      がんすけのこと >>