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2011年 11月 05日

過去と今と

▼人は過去を見るもの?

自分よりもかなり年下(高校生〜大学生くらい)の相手だと、ついつい「人生の先輩」的なアドバイスをしがちなのだが、いつも、「その言葉は自分自身の反省でもあり、自戒の念が込められいるものだな」と実感している。

先日、ある高校生(現在留学中)とのメッセージのやりとりの中で、過去のことにばかり目がいってしまうと、今、目の前にある大事なものを見逃してしまうこともある、という話を書いた。実は僕自身が、「思い出」をとても大事にしたいタイプだし、いまだに、今や遥か遠い時代になってしまった高校時代を思い返して「あの時は良かった」と思いがち…。、

もしかしたら、それは、たいていの人が多かれ少なかれ持っている感情なのかもしれない。昔読んだ本で、「人は過去を見ているか、将来を見ているか…。それは過去である。だから、過去を『〜日/月/年<前>』という将来を『〜<後>』と言う」という内容のことが書かれてあるのを読んで、「なるほど」と思ったことがある(記憶に基づいて引用したので、詳細な文章は不正確)。


▼今、はよく見えないけれど

本当に過去を見るような認識のつくりかどうかさておき、将来のことは当然見えないし(それを見えるように描くことが、何かを実現する上で大事とよく言われつつも)、今立っている時点のこともよく見えないのは確かだろう。

少し時が過ぎて、全体像が視野に入るようになってから、「あ、あのときのことは、こういうことだったのか」と気づくことがたくさんある。そういう意味では、常に、今何をどうすることが「いいこと」なのかなんてわからないもんだ。

だからこそ、過去のことを見ることで今の自分の立ち位置を確認できることもあるし、今に活かせることを学び直すこともできる。特に社会全体としては、過去をしっかり見つめ、学ぶことはとても大事だ。だから、単純に、「過去のことに『とらわれずに』」という言葉は、僕は好きではないし、先ほど書いた「今、目の前にある大事なものを見逃してしまう」という話もそういうことではない。

過去を見つめることは大切だということを前提としつつ、しかし、個人的な生き方の場合は、それ以上に、過ぎ去る今、つまり立っている足下を確認して、今やりたいこと&今できること、今しかできないことをやっていくことが肝要なのではないかと。

過去と比較して、今ある関係性や環境を嘆いて、「あの時の方がよかったなー」と思っていても過去には戻れないのだから、今あるそれらを変えていくために動くか、その中で自分ができる限り楽しめるものを探していくか、あるいはその両方か、だ。


▼紡ぎ直す関係

その中で、きっと、過去になってしまったこと、関係性、過去から継続していること、関係性も新しく紡ぎ直されたり、構築されたりするだろう。

もちろん、知り合う人全ての人との関係をつなぎ続けることはできないけれど…切れてしまったと思っていた人と、またやりとりが始まることも、ほんの少しすれ違っただけと思っていた出会いが、ふとしたきっかけで深くなっていくこともある。今現在起こっている新しい経験が、それらの再開/再会や深化をもたらすこともある。

きっと、過去の(過去からの)関係も、今の関係も、この関係はこうで、こうあらねばならない、と決めつけないことが、人の関係性の変化を楽しみ、自分がその中で生き生き生きられるコツなのだ。

もちろん、これは、自分が生きたいあり方のイメージで、自分がそれができているわけではない。でも(だからこそ)、こうして時々、自分の目指すあり方を言葉にすることは大事なことのような気がする。

by hideki_sunagawa | 2011-11-05 06:08 | Diary


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