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2011年 10月 16日

那覇生活半年

▼蒲鉾屋前で…

金曜日、友人と用事に出た帰りに、パレットくもじに入っている地元デパート「リウボウ」に。北海道物産展をやっていて、美味しそうだった蒲鉾(かまぼこ)を買おうと並んでいたら、同じく蒲鉾に惹かれてやってきたらしい男子高校生と目が合った。

『あっ!』という顔をして会釈してくれたので、会釈し直したら、「◯◯高校に来てましたよねー」と。何ヶ月か前に友人が持っている総合学習の授業に話をしに行った高校だ。「あ、◯◯高校の子なんだー?」とやりとり。

蒲鉾屋の前で会ったのが、なんだか恥ずかしくて、僕は、「おいしーよー」(試食させてもらった後だった)と言って、購入してその場を後に。というわけで、別に話らしい話をしたわけじゃないけど、声をかけてもらってうれしかった。


▼狭い社会

実は、こうして講演に行った先の学生と偶然会うのは、沖縄に来て二度目。最初の経験は、近所のジュンク堂で「起業」の本を立ち読みしているとき(なんか微妙に恥ずかしいときに声をかけられることが多いような…)。その少し前に講演した大学の男子学生から、「◯◯大学で話聞きました。良かったです!」と爽やかに言われたのだった。

東京でもそういう経験が全くないわけではないが、講演をし始めて20年の間に、2回くらいしかなかったような気がする。やはり、那覇は地方都市だが、都市としての性質よりも地方としての性質の方が大きい、いわゆる「狭い社会」ということだろう。

しかし、今のところ、僕はこの「狭さ」が気に入っている。長く住んでいると、そのうち嫌になるかもしれないけれど、自分が語りかけた相手が同じ社会にいるという実感が持てて、砂漠に水をまいている感じがぬぐえない東京とはだいぶ印象が違う。


▼スーパーで会う友人

また、頻繁に行くスーパーに友人が働いていて度々顔を合わす…という経験も、僕にとっては面白い。東京でもそういうつながりのある人は少なからずいるのだろうが、僕の場合は、沖縄に来て始めての経験するようになった。

最近は、そこで顔を合わせるのが当たり前になってきたので、行ったときにいなかったりすると、ちょっと寂しい気になったりする。忙しそうな時は声をかけないが、それでも姿を見れると、なんだかほっとする。

まぁ、それはたまたま会うのが楽しみな相手だからそう思うのであって、会いたくない相手とそういう関係になって、「うー、狭い社会面倒くさーい」と感じる可能性もあるのだろうけど。


▼表裏一体

当然、このような社会は、往々にして、少数者にとっては生きづらい社会でもある。

昨日書いた話につながるが、性的マイノリティにとっては(特に、自分の有り様を「隠す」ことが難しいトランスジェンダーにとっては)、どこで誰と会うかわからない、また、人との距離感が近い社会は、面倒でやっかいだ。

けれど、もし自分の身近な人々に受け入れられたり、支えてくれる仲間をつくることができたりするならば、そして、他人にどうこう言われることを気にしないようにすることができるなら、より多くの人が、この狭い社会のポジティブな面を感じることができるだろう。

と言いつつも、まだ僕も沖縄にUターンしてまだ半年(あ、昨日でちょうど半年だったんだ!)。もしかしたら、すぐに「あー、もう嫌」と言うのかもしれない。でも、ま、そのときはそのときで、また考えればいいことだ。とりあえず、今は、少しずつ、自分がつながれる仲間をどんどん見つけて、その仲間が身近にいることを実感できることを楽しみたいと思っている。

by hideki_sunagawa | 2011-10-16 06:47


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