2011年 10月 09日

初めての救急車

初めて救急車に乗った。

とは言っても、自分が搬送されたのではなく、体調を悪くしていた母の付き添い。最初は、姉の車でという感じだったのだが、いざ立ち上がってみると歩くのも困難な状況で、だいぶ具合いも悪そうだったので、救急車で搬送してもらうことにした(普段別の病気で診てもらっている病院に)。

搬送のために来てくれた三人の男性救急隊員は、とても優しく丁寧で、気遣いも細やかで、感動するほどだった。

隊員が救急車から病院に電話して、名前、住所、生年月日等の情報を送っているときに、横になっていた母は自分に言われていると思って、「はい」とか「〜年〜月…」とか答えてたので、僕が「病院に伝えてるんだよ」と言ったら、救急隊員は、僕に対して『そのままに(母の誤解に注意を与えないように)』ということをジェスチャーで伝えた。

これは、母が自分の誤解を恥じたり、動揺している母に混乱を与えないためだろうと思った。

隊員が最後の食事の時間を尋ねたときも、なかなか母に意味が通らなかったが(今日は食べていない、昨日一回という回答が繰り返された)、忍耐強く答えを待ち、無理にその答えを引き出そうとはしなかった。


一方、到着した病院側は…。救急診療だったせいではあるのだろう(とはいえ、そんなに混雑している様子や危機的な人が運ばれている様子ではなかったが…)、若い女性医師は矢継ぎ早の質問で、その声のトーンや態度からケアする気持ちは感じられなかった(よく、女性の方がソフトというが、先の男性隊員と比較すると、性別よりもその人のおかれているポジションや受けた訓練の方が、やはり影響が大きいと思った)。

また、近所の病院で胆石という診断を受けて紹介状も持って行ったのにもかかわらず、「検査しますので、待合室でお待ちください」と言われて延々と待たされるはめに。3時間以上経っても誰も何も言って来ないので、姉が確認しに行ったら「胆石で入院します」と言われた。

なんちゅう話じゃ。まぁ、病院が医師不足で困っているという話は聞くのだが…工夫のしようはあると思う(てか、尋ねに行かなかったら一体何時間待たせたんだ…?)


もう一つ、病院で印象に残ったこと。搬入されてすぐの矢継ぎ早の質問の中に、「痛みは、10点満点中何点くらいですか?」というものがあった。この質問に、僕は、「出たよ!」と思った。

というのも、自分が大腸の手術したときに、手術から数日後に麻酔を外してしばらくして、痛みがひどくなったので、そのことを看護師に告げたら同じ質問を受けて、「はぁ?」と思った記憶があるからだ。

退院後だいぶ経ってから友人の看護師にこの話をしたら、「あー、その言い方するね」と言う。医療現場では決まり文句らしい。でも、この質問を受けて、「はぁ?意味わからん」と思うのは僕だけではないだろう。

主観で答えればいいらしいが、10の痛みってどれくらいのことよ?と思わずにはいられない。僕の場合、痛みでだいぶイライラしていたこともあり、この質問をめぐって看護師と口論になったのだが(苦笑)、母親は、やはり意味が理解できなかったようなのだが、ただ沈黙していた。

おそらく彼女は、意味を聞く元気もなく、むしろ、その意味が理解できない自分の方がダメなんだと思ったことだろう。


この痛みを10の尺度で答えさせようとする発想は、医療従事者側の感覚に基づいたもので、それは、患者側の感覚と乖離している。この質問の仕方は絶対に変えるべきだと僕は思う。

だいたい、超激痛(それが10?)の場合は、質問に答えられないだろうに(ということは、質問に応答できる最大が10なのか?)。せめて、「『ちょっとだけ痛い』のを『1』、『死にそうなくらい痛い』を『10』とすると、どれくらいですか」等の言葉でイメージを与えて欲しい(だいたい、もともと主観でしか答えられないものを、数字の尺度を使うという「客観的」「科学的」なイメージで測ろうとするところが嫌いだ)。



さて、母親の入院。ここ数年病気を患っていてのことだし、今回は胆石なので急にどうこうということはないと思うのだが、一層彼女の体力も落ちるだろうし、先行きを考えて少しブルーに…。最近、だいぶ気力も充実して、いろいろやる気が出てきてたのになぁ。調子のいい時期って長く続かないのねん。


<追記>もちろん、医療従事者が患者のことをすごく考えてがんばっている(むしろ、がんばりすぎなければいけないような状況に置かれている)ことはわかっているし、対応のいい医療従事者もたくさんいることは知っている。

けれど、時に、医療従事者側と患者側の持っている枠組みや感覚があまりにも違って、患者との隔たりができてしまうこともある。医療従事者の「思い」がうまく患者に伝わる仕組みとか、言葉使いとか、改善できるところは改善していったほうがいいよなぁ…と思う。もちろん、医療従事者の労働条件の改善も必須よね…
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by hideki_sunagawa | 2011-10-09 06:25 | Diary


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