2011年 09月 06日
先週はLGBTをテーマにした話ばかりだったので、今週はなんとなく沖縄関連の話題を…。 下は、宇宙飛行士の野口聡一さんが撮影してツイッターで流した宮古島の写真。多良間島や水納島は、だいぶ離れているので写ってないけど… ▼「宮古系なーふぁんちゅ」 タイトルの「みゃーこふつ」というのは、宮古島の言葉のこと。僕自身は那覇で生まれ育ったけれど(幼い頃、兵庫県尼崎市にいたこともあったが)、両親はもともと宮古島出身。「砂川」という名字は、沖縄では宮古島を代表する姓の一つだ。 自分は那覇で育ったので、「なーふぁんちゅ(那覇人)」という意識が強いが、やはり「宮古系」の人間であるという意識もある。というのも、父親が生きていた時は、母親と父親は宮古島の言葉で会話をすることが多かったし、親戚と両親がその「みゃーくふつ」で話すのをしばしば耳にしていたからだ。 知らない人も多いようだが、宮古島や八重山の「方言」は、本島の「方言」と全く異なり、全然通じない(ユネスコでは、別個の言語として扱うことにしたようだ→記事)。昔、僕が小さかった頃、母親が、沖縄方言で話され全然分からなかったときに、馬鹿にされたように「どこの人か?」と聞かれ、「みやこんちゅ!!」と怒って答えたという話をしていたのをよく覚えている。 ちなみに、両親とも僕らとの会話は「共通語」だったので、僕は話すことはできないし、聞いてもあまり理解できない。もちろん、僕自身、ずっと興味を持たなかったというのが聞いたり話したりできない最大の理由だろう。 ▼「みゃーくふつ」への関心 そんな僕が、最近、「みゃーくふつ」を少し勉強しようかな…と思い始めている。もちろん、いわゆる「ルーツ」への関心もあり、また、文化人類学者として宮古島の文化に興味を持つようになった、という理由が大きい。しかし、もう一つ。最近、沖縄の知識人の間で強くなりつつある、「うちなーぐち復興」への、半ば抵抗的な実践という意味あいもあるのだ。 6月20日に、このブログへ「沖縄ネイティビズムへの違和感」という文章を書いた。 それは、「うちなーんちゅ」を本質的に狭くとらえる傾向への疑問を書いたものだ。その流れとあいまって、最近、「うちなーぐち復興」を呼び掛ける流れがある。 僕も、それぞれの地域にもともとある言葉が残るのはいいことだと思う。しかし、「うちなーぐち復興」のための講座や取り組みが使う言葉は、結局は、「首里言葉」を中心とした「うちなーぐち標準語」だ。しかも、日常では使わない古い言葉(かつ、上流階級で使われていた言葉)こそが、「正当な方言」と位置づけられる。 「日本化」の中で失ったものを取り戻したい、地域に根ざしていた言葉を残し、できる限り復興させたい、という心情はわかるのだが、単純に応援する気にもならない。それは、やはり、自分が「宮古系なーふぁんちゅ」だからだろう。 ▼「一石二鳥」のはず…が… 実は、「そんな、もはや日常的に使われない『正統な首里言葉』よりも、『うちなーやまとぐち』の、ちょっと『ピジン言語』*的(?)なものの方が、文化の生成を考える上でも面白いさ」と思うのだが、なんか、そう言うだけなのも、なんか芸がない(?)なぁ…ということで、自分のルーツにつながる言葉(しかも、昔耳にはしていたので、僕の記憶の一部でもある)をある程度解するようにはなりたいものだと考えるようになった。 [*ピジン言語(pidgin language)…二つ以上の言語が混ざって使われるようになった言葉。基本的には、「母語」として使われないものを指すようだ。まぁ、「うちなーやまとぐち」は、二つの「言語」が混じってというのはちょっと違うかもしれない。] それに、共通の話題がなく、没コミュニケーション的な関係になりがちな母親と、少しはやりとりするきっかけにもなるかも…とも思い。ということで、「これは、一石二鳥(?)だ」と、早速、昨日母親に少し習おうとトライしたのだが…実は、この言葉を母親から教わるのは難しいことを実感することになるのだった。(続くw)
by Hideki_Sunagawa
| 2011-09-06 14:06
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