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2011年 08月 29日

幸せ…って?

最近やりとりした二人の若い(20代前半の)ゲイ男子。二人とも切に「幸せになりたい」と願っている。そして、そのための一番の条件として(というより、必要十分条件のように)考えていることは、二人とも「素敵な、ずっと一緒にいられる彼氏が見つかること」だ。

僕も、彼らと同じ年の頃、ただひたすら寂しかったことを覚えている。自分がゲイであることを今のようにオープンにしていなかったせいか、「仲間」としてのつながりを感じられる人は学校内にはいなかった。それゆえか、少しでも好きになった相手には過剰に気持ちを傾けて、相手に引かれることがしばしばあった。

親密な関係性から得られる安心感をすべて色恋の相手に求めていたのかもしれない。もちろん、「素敵な恋人ができて結婚すれば幸せになれる」と思っている若い異性愛の子もたくさんいることを考えると、必ずしも問題は好きな相手が同性だから…が理由ではない。

でも、意識しているかどうかさておき、自分の性的指向に関係する話をまわりとシェアしづらい関係では、うっすらとした疎外感に包まれがちだ。その中で、その気持ちを好きな相手に一層集中させてしまう子はいるだろう。

更に、ゲイであろうとなかろうと、世の中に流通する恋愛イメージは内面化するわけで、その中で最も支配的な「結婚こそが幸せ」というイメージを内面化する人も当然出て来るわけだ。

女子大で教えているときも、「『結婚=幸せ』だなんて…」と、その幻想のくだらなさについて散々言ってきたし、今でもそう考えているが、それでも、異性愛者ならば、そのイメージに乗ってもなんとかやっていける人もいる。

けれど、日本では同性間の結婚はできないし、できたとしても、「それだけで」幸せになれるわけではない。もちろん、結婚すれば幸せが保証されるわけではないことは、異性愛カップルも同じだが、より強固に社会的なイデオロギーとして確立している異性愛の結婚より、同性間のそれは一層大きなもろさを含み持つ(もちろん、異性愛の結婚ももろくなりつつあるし、強力なイデオロギーになるより、もろいほうがいい気がする<しかし、僕は同性間パートナーシップが異性間のカップルと同じように法的に保証されることは必要だと思っている)。

だからこそ、結婚のイメージに近い恋愛に幸せを託す若いゲイの子たちを見ていると切なくなる。

もちろん、日本のゲイでも長期のパートナーシップを築き幸せを満喫している人は少なからずいるが、彼らは、それだけで幸せを実現しているわけではない。

僕は、その頃の寂しさは、HIVの活動に参加する中で「仲間」ができる中で解消されていった(もともと、若い頃はパートナーシップ志向があまりなかったせいもあるのだが)。だから、そういう子には、より広い関係を築くことをすすめる。

きっと彼らも、「あきらめ」という形ではなく、成熟した人生観という形で、そういうことに気づいてくれることだろう。そのためには、年齢を重ねたものが様々な幸せのあり方を見せて行く必要があるんだろうな、と思う。
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by hideki_sunagawa | 2011-08-29 22:56 | LGBT/gender


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