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2010年 11月 11日

忘れられていく「慰安婦」問題

大学の授業で「日本軍慰安婦」問題をとりあげて7年。毎回、重い気持ちを抱えつつ、伝えねばと吉見義明さんの『従軍慰安婦』(岩波新書)をもとに基本的な説明をし、元「慰安婦」の証言ビデオを見せている。

最初の年から、「あまり知らない」「全然知らない」という人は一定数いたが、確実にそういう人が増えている。そして、「知らない」度合いが深まっている。もちろん、このことに限らず、太平洋戦争中に日本がしたことを知らない人が大半を占めるようになっている。

今年の感想では、「北朝鮮の人が日本人を連れ去ったことは知っていたが、逆に日本人がそういうことをしていたことを知らなかった」「現在、中国で日本人への反発が高まっているのは、そういう過去と関係があるのだろうか?」というものがあった。

さらに、「テレビで、慰安婦の人たちが相当なお金をもらっていることがわかったが」と、とんでもない情報を信じている学生もいた。

以前は、「教科書には書かれていなかったけど、高校の先生が詳しくとりあげてくれた」という学生が一定数いた。最初の1〜2年は、「授業等で習ったことがある人?」と聞くと1/5くらいが手を挙げた印象だが、今は、数人(1/10以下?)しかいない。

授業の後、学生のほとんどは、「知るべきの歴史だ」というコメントを寄せる。決して、このことを知ったからといって、単純に「日本嫌い」や「日本否定」になるわけではない。むしろ、自分が所属している「日本」という国について改めて考えるきっかけとなり、「この国の、より良いあり方とは?」という思考が始まるように感じている。

国家の枠にこだわる必要もないかもしれないが、この国の中で生きている以上、そのあり方をいかに良くするかということを考え、行動していくことから始めるしかない。それは、「日本」を好きか嫌いかという問題ではないのだ。
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by Hideki_Sunagawa | 2010-11-11 14:31 | LGBT/gender


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