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2010年 10月 16日

ミュージカル「RENT」

ミュージカル「RENT」を観た。

ブロードウェイ版をDVDで見慣れていたので、正直、日本語版を観るのは不安だった。ミュージカルは特にそれがつくられた言語との結びつきが強いから。

実際、元のメロディーやリズムに日本語を当てはめるのはやはり難しいと思った。でも、その難しさを十分に凌駕する迫力があった。プロの仕事をこのように褒めるのは、逆に失礼かと思ったりもするが、キャストが皆しっかりとそれぞれの役を体に染み込ませていると感じた。どの出演者もほんとにほんとにすばらしかった!

物語の舞台がニューヨークであることもあって、この作品は特に、「ブロードウェイ=本場、日本は後追い」というイメージが持たれがちだが、それが単なる偏見であることを思い知らさせてくれた。

この作品では、HIV/AIDSが重要なテーマとなっているが、この作品が書かれた時と今はHIV/AIDSをめぐる状況が全く違う。RENTの初演の年である1996年は、まさにHAARTという新しい治療方法が登場した年。それ以降、HIV感染は必ずしもAIDS発症や死とは結びつかなくなっている(治療にアクセスできる人は)。

この物語の内容は、その治療法がメジャーになる直前のものだ。多くのHIV陽性者が死の陰におびえていた時の話。そのため、このときの様子を再現することに、現在、HIVの問題に取り組んでいる人には違和感を感じる人もいるかもしれない。また、物語構造にも、疑問を感じる部分が全くないわけではない。

だけど、やはり僕はこの作品に心揺さぶられる(今回も観ながら何回涙を流しただろう)。それは、僕が知り合った人たちの姿が重なること、知り合うことはなかったけれど、その時代のニューヨークのHIV陽性者やゲイが生きた物語に触れることができるからに違いない。

しかし、とはいえ、これは私たちと関係のない過去の物語ではない。HIV/AIDSをめぐる状況が違っても、私たちの現代につながる物語だ。実は、縁あって、このRENTのパンフに文章を書かせてもらったのだけれど、そこでも、これは、今の私たちの物語でもあると書いた。

ぜひ、一人でも多くの人に観てもらいたい作品だ(そして、余裕があったらパンフを購入して僕の文章も読んでー<笑)。僕もまた観に行くつもり。東京を離れる前に、この作品を観ることができてよかった(でも、今後また再演されるなら沖縄から観に来るかも)。この作品をつくりあげた全ての人に心から感謝!

「RENT」公式サイトはここから
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by Hideki_Sunagawa | 2010-10-16 23:02 | notice


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