2016年 12月 28日

2016年振り返り

今年は、全然このブログを書かなかったー。来年は、新しく本格的なブログを立ち上げたいなぁ、と思っていますが、どうなることやら。

一年間何も書けなかったこともあり、一層、今年の振り返りを記しておきたいと思い立ちざっと書いてみることに。別に10大ニュースとか、順位付けとか関係なく。


▼2回の引越し

2011年4月に、故郷の那覇に越して以来、約5年住んでいましたが、今年の3月に川崎市へ引越ししました。もう25年くらい付き合いのある高田良実さんのお宅で間借り生活がスタート。彼女の多大なるサポートで、この引越しは実現しました。心より感謝しています。

そして、8月末にまた新宿へ引越し。こちらも知人宅での間借り生活です。住環境は厳しいけれど、でも、新宿に住みたいという思いも強くなっていたこともあり(新宿2丁目の研究者だったこともあり、新宿には思い入れと関心がある)、良い引越しでした。新宿は面白い街です。


▼ピンクドット2016の開催

2013年に始めたピンクドット沖縄も今年で4回目。沖縄を離れたものの、今年も僕と宮城由香が共同代表に。さすがに東京からあれこれ動くのは大変でした。でも、今年は、JAL JTAがスポンサーについてくださるなど、一層大きくなり、またこれまでで一番大きく賑やかなピンクドットとなりました。

米国、カナダ、オーストラリアなどからも友人、知人が来てくれて嬉しかった! クラウドファンディングをおこない、その資金で、那覇市の同性パートナーシップ登録第1号のゲイカップルの結婚式も挙げることができました。ピンクドット沖縄をご支援くださったスポンサーの皆さま、クラウドファンディングにご協力くださった皆さま、ボランティアの皆さんへ、この場を借りて感謝申し上げます。ありがとうございました。


▼新しい大学での非常勤講師

今年度、前期は、多摩大学グローバルスタディーズ学部で「身体論」、後期は岡山大学で「ジェンダーとセクシュアリティの人類学」(集中講義)、年間を通しては、東京未来大学(通信)で「ジェンダー論」を非常勤講師として教えました。

多摩大学は、3時間/回の講義で、岡山大学は1時間×30コマを五日間でやるという集中講義。多くの授業は、1時間半/回/週を15回というつくりなので、これらの形に正直「どうなるかな?」と思いましたが、なんとかやり遂げました(そりゃあ、やり遂げなくてはいけないのだけど)。


▼初めて英語で講演

上記の「どうなるかな?」以上に「どうなるかな」と思いつつ(正直、「できるかな?」と思いつつ)臨んだのが、早稲田大学での英語の講演でした。生まれて初めて英語で講演。ほとんど事前に書いた原稿を読む感じでしたが、こちらもなんとか。

海外で一度も教育を受けたことがない身の私が、英語で講演なんて無謀すぎる機会だったのですが、がんばりました(自分的花マル)。


▼ブリタニカに執筆

ブリタニカが出版している年鑑に同性パートナーシップをめぐって文章を書く機会をいただきました。ブリタニカ、といえば、私たちの年代にとっては、権威ある百科事典。小中高の頃、図書室で目立つところにあり、よく広げて見ていたものでした。その憧れのブリタニカに執筆できる機会をいただけてとてもうれしかった!


▼様々なインタビュー

東京第2期(と、3月からの新生活を呼んでいるわたし<本当は最初は川崎市居住だったけどw)の最初の仕事は、太田出版が出している『at』のインタビューでした。自分の活動や研究について丁寧に聞きだしてくださいました。

また、ライフネット生命のLifenet Journal onlineLGBTER にも登場させていただきました。

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ほかにもいろいろ報告すべきことはある気もするのだけれど、とりあえずこの辺で。

こうやってやってきたことを書くと、順調にも見えますが、もちろん、たくさんの大変なことやつらいこともありましたし、大変なことはなかなか解決せずに引きずっています。レトリックではなく、正直生き続けることを迷うことも時々あります。でも、今年も多くの人に支えられて生き延びられました。僕が今こうして生きていられるのは、周りの人の支えがあってものことです。そのことに深く深く感謝。

みなさん、どうぞ良いお年を。
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# by hideki_sunagawa | 2016-12-28 12:45 | Diary
2016年 03月 11日

「あの時、手をつなげたら」

3年前に沖縄タイムスに連載していたエッセイに書いた文章。あのときのパートナーとは、1年余り前に別れてしまったけれど、あのときやその後に感じた思いは変わらない。あのときに戻って、彼の手を握ってあげたらいいのにな…

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最近、講演で同性愛について話をするときに、必ず見せる絵がある。熊の姿に描かれた二人の男性が手をつないでいるもの。それには、こう書き添えられている。

「あの日、一緒に歩いて帰りながら、不安なのに互いに遠慮して手をつないで歩けなかった僕らのために。誰もが誰かと一緒に歩くことがこれからもできるように、祈りを込めて。」

実はそれは、僕のパートナーが描いたもので、そこに登場しているのは、二〇一一年三月十一日の僕と彼だ。

言うまでもなく、それは東日本大震災が襲った日。僕らは、一緒の仕事で都心にいた。震源地付近や、津波の被害を受けたところに比べれば大したことはなかったとはいえ、震度5強を記録した東京も激しく揺れ、大混乱だった。僕らは、夜九時頃になりようやく家に向かって歩き始めた。

たくさんの人がぞろぞろと歩いている不思議な光景。静かな緊張感と大きな不安、非日常的な状況へのハイテンションが交じった奇妙な雰囲気の中、僕らは3時間以上歩いた。その夜は、かなり寒かった。そのとき、異性カップルなら、普段手をつながない人でも、きっと手をつないだだろう。寒さと不安を和らげるために。でも、僕らはそうしなかった。そうしようか?と口にもしなかった。

僕は、手をつなぐことのリスクをと考えていた。普段は笑われるくらいのことでも、社会的な緊張感が高まっているときには、何が起こるかわからない、と。

後になり、二人とも同じように手をつなぎたいと思っていたと知ったとき、お互いをいたわり合えなかったことに僕らは胸を痛めた。そして彼は、そのときの僕らのためにその絵を描いてくれた。

僕らは願っている。同性カップルが、手をつなぎたいと思ったとき、恐れや不安や気負いなく手をつなげる社会を。だから、僕らは、声をあげ、行動し続けていく。
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# by hideki_sunagawa | 2016-03-11 16:55 | Diary
2015年 12月 30日

2015年振り返り(3) 出会いあれこれ

後で確認してみたら、昨日の(2)は、ピンクドット終了後に書いた内容とほぼ同じだった…がーん。記憶力の低下がすさまじい。

さて、2015年最後の振り返りは、いろいろな人との出会いをめぐって。今年は、県外へ講演でうかがうことが何度かあり、人との結びつきを感じる年でした。


7月の筑波大学での講演や11月の広島大学での講演では、LGBTQのサークルの学生と話す機会があったことが嬉しかった。最初は、「僕はだいぶ歳も離れているし、つながり感は持てないだろなぁ」と思っていたのだけれど、実際に学生と話してみると、言葉にするのは難しいけれど、なにかが通じ合ったような、温かい交流ができた感触が残りました。

(筑波大での講演のときのポスター。学生がつくってくれたらしい。)
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とりあえず、ゲイであることをオープンにして活動や研究をしながらも、この歳まで生きてこられた人間がいることは励みになるのかもしれない(「活動家人生」は勧めないけど)。その後、やりとりが続いているわけではないけれど、僕にとっては、出会った学生たちのことは胸に残っている。また会いたいな。


神戸での講演「LGBT活動から学ぶ社会の動かし方」を企画してくれた、「生きがいしごとサポートセンター神戸西 NEXT」の小嶋新さんと大川妙子さんとの出会いからも大きな刺激を受けました。全然違う分野で活動している人とつながることの大事さを痛感した講演でした。

(左:小嶋さん&右:大川さん)
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12月には、「熊本LGBT文化祭」を訪問。実行委員の方々ともお会いしました。実行委員長のこうぞうさんとはその後も沖縄で再会。これからもつながり続けたい仲間です。

(こうぞうさんと)
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…と、心に残った出会いをあれこれ書こうと思ったけれど、ここにきて際限ないことに気づいてしまった(笑)。振り返り(2)で書いた、青年会議所の方々との出会いも印象的だったし、(1)で触れた出版記念トークに来てくれた学生さんたちとも良い交流ができました。

また、新たに活動を支えてくれる人との出会いも。

実は、これらの出会いに刺激を受けて、今後、もっとあちこちに出向いたり、いろいろな人と出会ったり、つながったりしていきたいなぁ、と強く思うようになりました。そして、あるきっかけがあり、来年度からその方向性で動くことになりそうな気配です。

とても大きな生活の変化となりますが、この報告は、年が明けてあらためて。

ということで、今年も大変お世話になりました。来年もよろしくお願いします。どうぞ良い年をお迎えください!
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# by hideki_sunagawa | 2015-12-30 23:05 | Diary
2015年 12月 29日

2015年振り返り(2) ピンクドット沖縄2015

今年で3回目となったピンクドット沖縄では、大きな出来事がありました。それは、

レインボーなは宣言!

城間幹子那覇市長が自ら宣言文を読み上げて、最後の記念撮影にも参加してくださいました。

(宣言文を読み上げる市長)

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ときどき激しい雨に見舞われましたが、忍耐強く残ってくださった皆様で、最後の記念撮影。2014年に宗教団体の強い反対で中止になった、ピンクドットペナンのためのバナーも掲げつつ。

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このときのピンクドット沖縄は、宣言が出たということで、NHKおきなわを除く各テレビ局のニュース番組で紹介されました。もちろん、新聞でも大きく。


(翌日の琉球新報の一面)

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(後日の沖縄タイムスの特集記事)

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今回は、企業からの支援も増えました。また、一回目から支援くださっているホテルパームロイヤルNAHA様は、会場に隣接した同ホテルに長ーいレインボーフラッグを掲げてくださいました。美しかった!

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その後、同ホテル代表取締役総支配人の高倉直久様と那覇青年会議所でお話する機会をいただきました。

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沖縄では、様々な領域でLGBTへの関心が高まっていますが、この動きをつくったのは、ピンクドット沖縄だと自負しています!那覇市は、その後、同性間のパートナーシップに関する証明書の発行の検討を発表。また一つ進みそうです(年明けにもなんらかの発表があるかも?)。


しかし、こんなに沖縄の社会に大きな影響を与えているピンクドットですが、毎年経済状況は非常に厳しく(ちなみに公的機関からの経済的支援は一切ないです)、やるかやらないか悩むところ。来年はどうなる(どうする)かなぁ…
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# by hideki_sunagawa | 2015-12-29 20:48 | Diary
2015年 12月 29日

2015年振り返り(1) 『新宿二丁目の文化人類学』出版

ツイッター(@H_Sunagawa)やフェイスブックにはちょくちょくポストしているけれど、そのぶんブログはすっかりさぼるように。

しかも、新しいサイトへ移行しようと構築しながら、なかなか進まず…。新しいサイトオープンは、来年の課題にするとして、ここで自分にとって2015年がどういう年だったかの振り返りを、三回にわけて。



まず、今回は、今年一番僕にとって大きかったこれ ↓



『新宿二丁目の文化人類学』出版

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2008年に提出した博士論文を『新宿二丁目の文化人類学』として出版することができました。これは、クラウドファンディングが成立したことで実現したものです。あらためて、ご協力くださった皆様に感謝です。そして、出版後、多くのマスメディアに書評を掲載いただきました。


星野智幸さん(朝日新聞)

繊細で血のかよった画期的な民族誌を実現できたのは、今を作り上げてきた無名のパイオニアたちを記録に残しておきたいという情熱だろう。都市論としても優れた本書の魅力は尽きない。」 → 全文


北原みのりさん(共同通信配信)

「読み進めるうちに気がつく。「二丁目」の物語は、誰にとても異文化ではない。普遍的な闘いの歴史、個人の切実な性と生のありようなのだと。」


若松英輔さん(讀賣新聞)

「現代は人間関係がどこまでも広がろうとする時代だ。だが筆者はこの本で、深まりの重要性を示唆している。」


難波功士さん(日本経済新聞)

コミュニティの内部に深く入り込み、すくいとられた人々の声。細やかな観察と豊富なデータは、フィールドワーカーとしてだけではなく、客およびスタッフとして二丁目で多くの時間を過ごし、東京レズビアン&ゲイパレードの実行委員長を務めるなど、深くこの地にコミットし続けてきた著者ならではのものと言える。」


印南敦史さん(Newsweek 日本版)

ゲイ・コミュニティに縁のない人にもわかりやすく、しかも歴史や社会状況などを交えて"文化人類学的な観点から"解説されているため、読者はゲイに対する偏見を打ち消しながら、陽の当たりにくい世界の実情を垣間見ることができるだろう。」 →
全文


福博充さん(週刊読書人)

「こうした生きたことばを冷静な文体を以ってアカデミックな文脈に落とし込みつつも、そのことばの持つ強さを殺すことなく織り込むには、よほどの技量とセンスが要求されると思うが、著者はそれを適切に配置し、その強さを自らの論述に援用している。」



こうして、多くの方々の書評のおかげもあり、一時期、Amazonの「文化人類学」の分類で1位になったりもしました。そして、2ヶ月あまりで増刷となりました! まだまだ多くの人に読んでいただきたい本です。まだな方は、ぜひ手にとってください。


<1位になったとき!>
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ウェブマガジンの「シノドス」には、この本について自分で書いた文章も掲載いただいています → 「異性愛中心社会とゲイ・コミュニティ―東京レインボー祭りが照らし出すもの」 。また、TBSラジオ「荻上チキのSession-22」に出たときの様子がこちらにあります → YouTube

そして、この出版を記念して、東京でイベントを開催しました。

<シューレ大学でのパーティ:上はシューレ大学スタッフの朝倉景樹さんと、下はアーティストの張由紀夫=メロディアスさんと>

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↑お腹の肉付きがひどい…(汗) そしてなぜか、手振りが大きい。


<新宿二丁目のバー「九州男」でのトーク:上は、NPO法人東京レインボープライド共同代表の杉山文野さんと、下は造形作家の大塚隆史さんと)

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また、沖縄でも出版記念&活動家歴25周年パーティーを。様々な分野の皆さんが来てくださり、とても暖かい雰囲気の良い会となりました。

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また、この出版をきっかけにいくつか文章を書く機会をいただきました。現代思想には、「多様な支配、多様な抵抗」を。同文は、なんと韓国語に翻訳され韓国語の雑誌でも紹介されました!うれしい。

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朝日新聞の書評欄「ニュースの本棚」にも文章を寄せる機会をいただきました。ありがたや。→ 「同性婚


この出版をきっかけに、最近活動にばかりエネルギーを注いで、サボり気味だった研究者としての自分に磨きをかけたいなぁ、と思いました。来年は、研究を深めながら、新しい本の執筆にもとりかかりたいと思っています!
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# by hideki_sunagawa | 2015-12-29 00:23 | Diary